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「経理の仕事はAIによって消滅する」
経理を目指す方であれば1度は聞いた事があるこの話。
実際のところどうなのでしょうか?
この記事では、
- 新卒2年目で事業会社の決算を締めた経験を持つ
- 現在は上場企業で個別決算・連結決算・税効果会計等の対応を任されている
- 会計システム刷新プロジェクトに参画し、実際に導入・入替に携わった
等、今も経理の第一線で働く私から見た「経理の将来」をご紹介します。
結論としては、
- 単純な事務作業は無くなってしまう可能性が高い
- 「経理」という仕事自体は無くならない
- 単純な事務作業が無くなった「後」に活躍できる力をつけておく事が大事
だと感じております。
AIによってなくなる仕事
あと10年足らずで47%の仕事が機械によって無くなってしまう?
2013年にイギリス・オックスフォード大学のマイケル・オズボーン准教授とカール・ベネディクト・フレイ博士が発表した論文では、
米国において10~20年内に労働人口の47%が機械に代替可能である
と試算をしています。
このことは、総務省のホームページに掲載されている『平成30年 情報通信白書』でも紹介されています。
総務省|平成30年版 情報通信白書|職業の変化 (soumu.go.jp)
論文の中では実際に消えてしまう職業が紹介されており、
- 給与・福利厚生担当者
- 税務申告書代用者
- 簿記・会計・監査の事務員
等、正に経理が現在担う業務が挙がっておりました。
※給与・福利厚生担当者は、会社によっては人事部など経理以外の部署が行う場合もあります。
「外注」も脅威になる
また、これは実際に現在勤務する会社の話なので詳しくは書けませんが、
ここ何年か経理の中途入社で失敗が続いております。
能力や性格の問題など失敗の中身は人それぞれですが、人が中々定着しません。
こういった現状を踏まえ、社長からは
「採用しても上手くいかないのなら、外注を検討した方がスムーズなのでは?」
と指摘を受けており、特に事務作業部分について外注化を検討中です。
友人が勤務する会社では、
「経理を外注に出したらそこまで人を抱える必要がなくなったとかで、半年くらいかけて人数が半分に減らされたよ」
という話もあるんだとか。
恐ろしい話ですね・・・。
現在経理に従事する方は、自分の職が無くなる恐怖から逃れる術はないのでしょうか?
私は、そんなことはないと思っています。
AIでもなくならない仕事
経理とITの相性は良い
そもそも論ですが、経理とITは非常に相性が良いです。
経理:定型業務が多い ⇔ IT:定型の業務が得意
例えば会計ソフトが登場する前と後では、
前:仕訳を1件書いたら手で総勘定元帳に転記、結果を試算表に転記、その結果を・・・
後:仕訳を1件入力したら総勘定元帳・試算表他関連する書類が自動で出来上がる
と、経理の業務効率は飛躍的に向上しました。
実際に現職でシステムの入替に携わりましたが、旧システムでは対応できなかった業務が、
システムを入れ替えたことによりボタン1つで対応できるようになりました。
ですので、会社の将来を考えれば「業務効率向上につながるITはどんどん導入すべき」となるのはごく自然な流れです。
AIもこれと同じで、会社にとってプラスになるなら間違いなく導入されるでしょう。
導入した「後」に活躍できるスキルはあるか?
では、経理は将来AIに自分の仕事が飲まれていく末を、ただ指をくわえて見ていることしかできないのでしょうか。
私は違うと考えています。
仮に現在行うすべての経理事務作業がAIに飲まれて無くなった、
としても、経理が全員不要になるとは考えにくいです。
AIに飲み込まれた「後」に重宝される状態を作っておく事が有効だと考えております。
具体的には、以下の対策が挙げられます。
①専門性の向上
→唯一無二の存在になり、いざ減らされても「残すべき人」になる
②システム管理者として生き残る
→制度改正等で新規案件が発生した場合、その初期設定をするのは「人」
システムを上手く使いこなし、AIの初期設定に携われる人として生き残る
③経理の知識を活かして、より経営に携わるポジションに移行する
→多くの時間を割かれていた事務作業が無くなった分、
経理の知識を経営に活用し、いわゆるCFO・財務責任者等の「社長の右腕」ポジションに納まる
それぞれ向き不向きがあると思いますので、自分に合った道を目指すのが良いかと思います。
まとめ
将来、経理の仕事の多くの部分はAIにより無くなる可能性が高い、と私は考えています。
とは言え、「経理」自体が会社から無くなることはないでしょう。
事務作業が極限まで無くなった「後」でも重宝されるスキルを今のうちから身に着けておくのが、
最も有効な手段ではないでしょうか。
私も「AIと共存する経理」を目指して進んでいきます。